今回は世界的に知られたオーストリアのピアノメーカー《ベーゼンドルファー》の大阪ショールームに行ってきました。1828年にイグナーツ・ベーゼンドルファーにより創業されて以来、F.リストや各国の皇室・王室御用達としても愛用されたというその魅力をたっぷり伺いました。
びっくりしたのは、90年かけて成長した木を切る時期、時間まで決めて切っているということ。森の復元サイクルにあわせているので、創業から175年の歴史の中で、総生産台数が僅か4万6千だということ。1台の85%に響板材と同じスプルース材を使用し、側板にもその1枚板の内側に多くの切込を入れて響かせているということ。見せて頂きましたが、その結果「木」がどこにもストレスを感じないそうです。
また、ベーゼンドルファーといえば97鍵の「インペリアル」!完全な8オクターブの音域は、バルトーク、ドビュッシー、ラヴェル、ブゾーニなどが本来意図した響きを再現しますが、弾きこなすのは難しそうです・・?!そして、歌声や管弦楽器との相性も良く、ステージでの演奏者の音楽を、ピアノが生きているかのように引き出してくれるそうです。高槻出身のソプラノ歌手佐藤しのぶさんも、コンサートではベーゼンドルファーを指定されるとか…。1年以上の時間をかけて丁寧に製造されたピアノの魔法でしょうか?
写真は、オーストリア・ハンガリー帝国から明治天皇へ納められた献上品です。純金の装飾をふんだんに取り入れたデザインで、職人達はマルコ・ポーロが「黄金の国ジパング」と表現した日本に思いを馳せながら製作にあたったことでしょう。
日本ベーゼンドルファー 大阪ショールーム
大阪市淀川区西宮原2-1-3 SORA 21 1F TEL 06-6392-0200
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