今回は近畿を飛び出し静岡県は浜松の地に降り立ちました。
目指すは同機種のピアノの弾き比べが出来る“選定室”です。
ヤマハグランドピアノを購入する際、近くの楽器店で試弾し機種を絞込みますが、
その後に同じ機種の中から好みの1台を選ぶための部屋です。
ちょっと出かけて・・・という軽い気持ちで移動できる距離ではありませんが、
1日に何本かある浜松駅に停車する新幹線を利用すると、
京都駅から1時間半で目的地に到着です。
名だたる世界の演奏家たちの写真パネルが並べられた廊下を案内され、
通された室内はグランドピアノが3台入ってもまだまだ余裕がある広さですが、
床は絨毯張り、天井もそれほど高くなくという自宅での実際の使用に近い環境にしてあります。
では、早速音出しです!
1台目・・・新品らしいこもった音。奥ゆかしい抑えた音色。粒が揃い気分よく弾けます♪
2台目・・・1台目に似ているものの高音部が少々華やかで軽やかに変化。
3台目・・・前の二台とは明らかに違い華やか。でも、新品からこの音だと弾きこんだ後が少々心配。
一通り触ったこの時点で、製造技術も向上した今の世の中、同じ型番で括られたピアノに
そんなに大差は無いという勝手な思い込みは消滅。
並べられた3台はそれぞれに、意外に思うほどはっきりと異なった個性を持っていました。
この音の違いにはピアノの大部分を占める「木材」や、
直接弦に触れる「フェルト」が関係しているようです。
同じ機種でも使われている木材の産地は一箇所ではなく
欧州のものであったり北海道であったりと幅広く、
ハンマー部分のフェルトの硬さも羊の毛を圧縮する際、一定にはなりにくいとのこと。
ピアノが手作業で作られていることを改めて実感したお話でした。
さて、選定室で弾き込むうち、曲によっても音色の好みが分かれたりするのですが、
結局は第一印象が一番良かった1台に決められる方が多いようです。
選んだピアノには氏名と番号が入った「選定カード」なるものが取り付けられ、
あとは約1週間後にピアノが自宅に届けられるのを待つという運びになります。
遠方ですが、今後、新しいピアノを迎え入れることになった際には
十分に行く価値はあると思います。
ぜひ相性を見極めに「選定室」を訪れてみてください。
※訪問の際は実際に購入される楽器店の方に日時の設定等お任せください。
http://www.yamaha.co.jp/about/corporate/showroom/index.html